1.恋人は君ひとり

作詞:能勢英男
作曲:米山正夫

虹は消えないうちに
花は散らないうちに
恋はさめないうちに
語り合おう 君と僕
男なら決めよう
恋人は君ひとり
追いかけろ あの雲を
つかまえろ この恋を

歌は忘れないうちに
風は過ぎないうちに
愛はこわれぬうちに
語り合おう 君と僕
男なら決めよう
恋人は君ひとり
追いかけろ あの雲を
つかまえろ この恋を

男なら決めよう
恋人は君ひとり
追いかけろ あの雲を
つかまえろ この恋を
つかまえろ この恋を


2.君は無敵の三冠王

作詞:米山正夫
作曲:米山正夫

花の歓呼を浴びながら
やったぞ 遂に成し遂げた
君は 君は 君は無敵の三冠王 オウ
若者だけが知っている
その感激を今ここに
さあ歌おう さあ歌おう 勝利の歌を
君は無敵の 君は無敵の三冠王 オウ オウ

ぐんと上った白い球
スタンド深く 打ち込んで
君は 君は 君は無敵の三冠王 オウ
かがやく三つのタイトルを
握った腕のたくましさ
さあ歌おう さあ歌おう 勝利の歌を
君は無敵の 君は無敵の三冠王 オウ オウ

夢と希望と青春を
バットに賭けて がっちりと
君は 君は 君は無敵の三冠王 オウ
努力と汗と涙とを
忘れるものか男なら
さあ歌おう さあ歌おう 勝利の歌を
君は無敵の 君は無敵の三冠王 オウ オウ

君は無敵の 君は無敵の三冠王


3.俺はぜったい!プレスリー

作詞:やまだあつし
作曲:山鉄平

俺は田舎のプレスリー
百姓のせがれ
生まれ 青森 五所川原
いっぺん来てみなガ
田んぼで鍛えた この声と
親に貰った この顔は
村じゃ人気のプレスリー
田舎のプレスリー

村の祭りじゃ人気者
むすめコ寄って来る
青森 田舎とバカにすな
俺はプレスリー
山で鍛えた この声と
あかぬけた この顔は
村じゃ人気の色男
田舎のプレスリー

鍬ば片手に声出せば
すずめコ寄って来る
田舎育ちと ばかにすな
俺はプレスリー
汲み取りしながら 唄いだせば
ウンコも一緒に 踊り出す
村じゃウンコのプレスリー
田舎のプレスリー

村の村長も泣いて言う
お前は世界一と
唄もうまいし 器量もいい
だから出て行けと
悪い事だか 言い事か
褒めているのか ありがとさん
したども俺はプレスリー
田舎のプレスリー

村じゃ私に 石投げる
この村出て行けと
しかし俺がいなくなりゃ
青森だめになる
ハンカくせぇと 人は言う
しかし俺はプレスリー
田舎のプレスリー
田舎のプレスリー
ぜったいプレスリー


4.俺はぜったいスーパースター

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

風吹く北の町 夜汽車にゆりゆられ
都会あこがれ来たけれど 何んにも出来ないよ
仕事転々と 毎晩酒のんで
田舎あなたが恋しくて 泣いた夜もある
リンゴが実る頃 帰ろうと思ったが
まだまだ 俺は帰れない
今の俺じゃ 帰れない

まだまだ 俺は帰れない
今の俺じゃ帰れない
ぜったいスターになるまでは
エンターテナーになるまでは
アイ・ラブ・ママ―――

東京では春さ 田舎ではまだ寒い
月賦で買った安毛布 かあちゃん送ります
俺の住所は 書かないけれど
元気でいますこの通り 写真も入れました
桜まつりのある頃に 帰ろうと思ったが
まだまだ 俺は帰れない
今の俺じゃ 帰れない

まだまだ 俺は帰れない
今の俺じゃ帰れない
ぜったいスターになるまでは
エンターテナーになるまでは
アイ・ラブ・パパ―――

安アパートひとり 暮らしてた頃に
姉ちゃん送った一万円 使えなかったよ
あの頃の俺と 今も同んなじさ
田舎皆に逢いたさに 泣いた夜もある
正月皆のいるころに 帰ろうと思ったが
まだまだ 俺は帰れない
今の俺じゃ帰れない
ぜったいスターになるまでは
エンターテナーになるまでは
まだまだ 俺は帰れない
ぜったいスターになるまでは
スタ―――


5.と・も・子…

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

(せりふ)
とも子と二人で暮らしてた頃、ハッピーでナウな日々だった。
“買物に行って来まーす”ってとも子。
“行ってらっしゃい、 気いつけてね”ってわたし。
それっきりかれこれ一年にもなるべか。
買物に行ったきり一年も帰って来ないオナゴって、
どこにいるもんだべか?さみしくて、恋しくて、
とも子のはいてたパンティーいつも頬づりしてるの。
たまにかぶって歩いたりしてるの。
“とも子歯のキレイな人キライ、 髪の毛キチンとわけてる人もキライ。
男のくせにオーデコロンつけてる人大キライ!
とも子どんな汚いかっこうでもいいの、心のキレイな人なら”
って云うから、わたし一年ぐらいだべか、 歯も磨かないで、
頭の毛ぼさぼさで、 風呂なんか入ったこともネェ。
したらとも子“汚なすぎる!”って…
とも子捜して旅に出た。
盛岡、仙台、福島、山形、グルっと回った。
とも子の田舎秋田だって聞いて、秋田たずねて行った。
そしたらアパートの管理人が出て来て
“ああその人ならたった今引越しましたよ”って。
どこへ行ったか分かりますかァったら
“青森に行くようなこと言ってましたョ”って。
青森たずねてみれば、別人でスンゴクきれいだったりして…
秋の函館とも子の居る所わかった。
アパートの下から、とも子俺だョーったら
とも子窓から顔ベローと出して、いきなり ワーッと泣いて。
どうしたの?とも子大きなお腹して、食べすぎたのったら
“子供できたの”って。
アレー誰の子供なのってたずねれば
“知らない”って、 涙コひとつポロとながして、…
かわいそうなとも子、あれから3回目の秋だ、
とも子が死んでから3回目の… 3回目の秋だ…

この唄を貴方に 聞かせたかった
この唄を貴方に 聞いてほしかった
この海の向こうに 旅に出た君に
間に合わなかった 花束のかわりに
貴方のために作った この唄
二人の愛の唄
この唄を貴方に 聞かせたかった
でも今は居ない
貴方に遅かったラブソング

この愛を貴方と 育てたかった
この胸を貴方に 打ちあけたかった
あの星の向こうに 旅に出た君に
渡せなかった 指輪のかわりに
貴方のために作った この唄
二人の愛の唄
この愛を貴方と 育てたかった
でも今は居ない
貴方に遅かったラブソング

ララ……とも子、とも子
遅かったラブソング


6.あそばれた男

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

悲しみのせて北へ走る 夜行列車は
去年もこんな事が あった気がする
夢が夢が こわれて行く
愛が愛が くずれて行く
これが五度目の 大失恋
年に一度の 行事なのか
ふられ男のみじめさを のせて奥羽線

くやしさ乗せて北へ向う れんらく船は
俺の泪も粉雪で こおりつくようだ
アホなアホな 男が泣く
腰が腰が くずれて行く
これが五度目の 大失恋
これが五度目の 里がえり
ふられ男のさみしさを のせて北斗号

アホなアホな 男が泣く
腰が腰が くずれて行く
これが五度目の 大失恋
これが五度目の 里がえり
ふられ男のさみしさを のせて札幌へ


7.縁し唄

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

元気でしょうか 貴方さま
この町来たなら 顔見せて
見知らぬ人と 盃合わせ
昔思って 飲む酒に
ああ 涙がひとつ
逢いたさつのる 想い酒

背中に思い出 はりつけて
流れ流れて 北国へ
ほろ酔い女 夜更けの酒場
何度飲んだろ 涙酒
ああ どうしてますか
逢いたさつのる 夢枕

小さなお店も もちました
だけども幸福(しあわせ) まだもてぬ
お客もひけて 一人の酒に
似合わないのよ 何もかも
ああ 細いこの手に
指輪が一つ 縁し唄


8.ママ

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

ママーママー、駅前、土地買ってどうするの
ママーママー、毎日、外車買ってどうするの
飛行機なんかは、いらないよ
庭にヘリコプターが、あるじゃないの
僕もう、ステーキなんか食べ飽きたから
だから、ママ、ママ、牛、買って

【台詞】
ママ、死んだパパの財産なんかいらない
僕は何もいらないの
お金を見るのが恐いのママ
丘の上の白いお屋敷に
いつも僕ひとりぼっち、淋しい
今日は、ママと一流のレストランで、お食事
でも、ママは銀行差し回しの真白い大きな外車で帰ってしまう
どうするの、ママ、このワイン
このステーキ、半分しか食べてないじゃないの、ママ
ママ、聞いて、この歌聞いている人なんか
普段、ろくなもの食ってねーのに、ママ
ママ、いつも僕のそばに居て、僕だけのママ
ママ、カンバックトゥーミー

ママーママー、ダイヤのライターなんかいらないよ
ママーママー、金張りのブーツもいらないよ
ルビーの指輪なんかどうするの
燃えないゴミの日に、すてるじゃないの
僕もうフランス料理なんか食べ飽きたから
だから、ママ、ママ、豚、買って
ルビー、ルビー、ルビーの指輪なんかどうでも良いから
僕は食べたい、上カルビ
ママー


9.ふるさとワルツ

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

ふるさとは 今年も遠く
帰れそうもない
この街で 夜空眺めて
想い出たどる
せめてもの なぐさめに
駅まで行けば
聞こえるよ 国言葉
ふるさとワルツ

夕焼けの 色は違えど
ふるさとへ続く
忘れない 忘れはしない
あの日のことは
逢いたいな お前にも
まだ独り身だろうか
四畳半 コップ酒
ふるさとワルツ

渡り鳥 ビルの谷間を
ふるさとへ帰る
母に似た 人を見つけて
駆け寄ってみたよ
年老いて 髪の毛も
白く染まっただろう
夕暮れの 街角で
ふるさとワルツ

せめてもの なぐさめに
駅まで行けば
聞こえるよ 国言葉
ふるさとワルツ


10.俺ら東京さ行ぐだ

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

テレビも無ェ ラジオも無ェ
自動車(クルマ)もそれほど走って無ェ
ピアノも無ェ バーも無ェ
巡査(おまわり) 毎日ぐーるぐる
朝起ぎで 牛連れで
二時間ちょっとの散歩道
電話も無ェ 瓦斯(ガス)も無ェ
バスは一日一度来る
俺らこんな村いやだ
俺らこんな村いやだ
東京へ出るだ 東京へ出だなら
銭(ゼニ)コァ貯めで 東京でベコ(牛)飼うだ

ギターも無ェ ステレオ無ェ
生まれてこのかた 見だごとァ無ェ
喫茶も無ェ 集(つど)いも無ェ
まったぐ若者ァ 俺一人
婆さんと 爺さんと
数珠(ジュズ)を握って空拝む
薬屋無ェ 映画も無ェ
たまに来るのは 紙芝居
俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ
東京へ出るだ 東京へ出だなら
銭(ゼニ)コァ貯めで 東京で馬車引くだ

ディスコも無ェ のぞきも無ェ
レーザー・ディスクは何者だ?
カラオケは あるけれど
かける機械を見だごとァ無ェ
新聞無ェ 雑誌も無ェ
たまに来るのは回覧板
信号無ェ ある訳無ェ
俺らの村には電気が無ェ
俺らこんな村いやだ
俺らこんな村いやだ
東京へ出るだ 東京へ出だなら
銭(ゼニ)コァ貯めで 銀座に山買うだ

俺らこんな村いやだ
俺らこんな村いやだ
東京へ出るだ 東京へ出だなら
銭(ゼニ)コァ貯めで 東京でベコ(牛)飼うだ


11.羅臼

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

ヨーイショ ヨーイショ
ヨーイショ ヨーイショ
あんたは船を出す
ヨーイショ ヨーイショ
ヨーイショ ヨーイショ
あたしゃ歌 唄う
昆布採りはヨ
あんたと二人じゃなくちゃ
羅臼の海がヨ 荒れるだヨ

ヨーイショ ヨーイショ
ヨーイショ ヨーイショ
カモメ群れなして
ヨーイショ ヨーイショ
ヨーイショ ヨーイショ
船を 追いかける
アキアジ漁はヨ
根室海峡出るヨ
オヤジ乗る船ヨ 手を振るヨ

前に見えるは 国後島(くなしり)ヨ
俺の父祖ヨ あこ生まれ

ヨーイショ ヨーイショ
ヨーイショ ヨーイショ
朝の五時にはヨ
ヨーイショ ヨーイショ
ヨーイショ ヨーイショ
沖へ 船が出る
スケソウ漁はヨ
氷はるよな海ヨ
流氷そこまで 来てるだヨ

ヨーイショ ヨーイショ
ヨーイショ ヨーイショ
知床連峰
ヨーイショ ヨーイショ
ヨーイショ ヨーイショ
夫婦舟が行く
ヨーイショ ヨーイショ
ヨーイショ ヨーイショ
望郷台からヨ
ヨーイショ ヨーイショ
ヨーイショ ヨーイショ
夫婦舟が行く

ヨーイショ ヨーイショ
ヨーイショ ヨーイショ
羅臼岳からヨ
ヨーイショ ヨーイショ
ヨーイショ ヨーイショ


12.ゲゲゲの鬼太郎

作詞:水木しげる
作曲:いずみたく

ゲッ ゲッ ゲゲゲのゲー

朝は寝床で グーグーグー

たのしいなたのしいな

おばけにゃ学校も

しけんも なんにもない

ゲッ ゲッ ゲゲゲのゲー

みんなで歌おう ゲゲゲのゲー

ゲッ ゲッ ゲゲゲのゲー

昼はのんびりお散歩だ

たのしいなたのしいな

おばけにゃ会社も

仕事も なんにもない

ゲッ ゲッ ゲゲゲのゲー

みんなで歌おう ゲゲゲのゲー


13.おじさんサンバ

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

オジサンはオジサンはオジサンは
「ハリマオ」が好きだった
オジサンはオジサンはオジサンは
「マグマ大使」も好きだった
オジサンはオジサンはオジサンは
「黄金バット」が好きだった
オジサンはオジサンはオジサンは
「赤銅鈴之助」にあこがれた

オジサンの家にテレビは無かったが
街頭テレビで知ったんだ
オジサンは今はこんなになったけど
昔からオジサンじゃなかったんだオジサンは

オジサンはオジサンはオジサンは
「隠密剣士」が好きだった
オジサンはオジサンはオジサンは
「笛吹童子」も好きだった
オジサンはオジサンはオジサンは
「白馬童子」が大好きで
オジサンはオジサンはオジサンは
「力道山」にあこがれた 強かった!

オジサンは「少年ジェット」も好きでした
「忍者部隊月光」も好きだった
オジサンは忍者「サスケ」になりたくて
木から落ちたこともあるんだオジサンは

オジサンをそんな目でみちゃイヤーン!!
年がなんだ太ってるのがなんだ!!
はっきり言って女房とは最近うまくいってない
誰がそんな事聞いてんだ!!
今日も朝からタバコがうまい
「オジサン泣かすにゃ刃物はいらぬ年の話をすればいい」
ナーンチャッテ私は若い私は若い!
サンバサンバで夜がふける
社長!!給料上げろ!!ガチョーン!!

オジサンはオジサンはオジサンは
「ジェスチャー」なんかも知ってるゾィ
オジサンはオジサンはオジサンは
「豊登」の裸足が好きだった
オジサンはオジサンはオジサンは
「星影のワルツ」が大好きで ア、ヨイショ
オジサンはオジサンはオジサンは
「七色仮面」にあこがれた

オジサンは時々女房の目を盗み
忍者ゴッコに医者ゴッコ
オジサンは今はこんなになったけど
昔からオジサンじゃなかったんだオジサンは

オジサンはオジサンはオジサンは
オジサンは「42」やく年ジャン
オジサンはオジサンはオジサンは
オジサンは祈りましょう あ〜祈りましょう
オジサンはオジサンはオジサンは
オジサンは「42」ジャン「42」ジャン
オジサンはオジサンはオジサンは
オジサンはオジサンだ あ〜文句あっか
オジサンはオジサンはオジサンは
マイクを絶対離さない
あ〜ワッショイワッショイワッショイ
オジサンはオジサンはオジサンは
マイクを絶対離さない あ〜貸すもんか… F.O.


14.雪國

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

好きよ あなた 今でも 今でも
暦はもう少しで 今年も終りですね
逢いたくて 恋しくて 泣きたくなる夜
そばにいて 少しでも 話を聞いて
追いかけて 追いかけて
追いかけて… 雪國

窓に落ちる 風と雪は
女ひとりの部屋には 悲しすぎるわ あなた
酔いたくて 泣きたくて ふるえる唇
そばに来て 少しでも わがまま聞いて
追いかけて 追いかけて
追いかけて… 雪國

好きな人はいるの あなた
バカね バカな女ね 意地をはってた私
逢いたくて 夜汽車乗る デッキの窓に
とめどなく 頬伝う 涙のあとを
追いかけて 追いかけて
追いかけて… 雪國

逢いたくて 恋しくて 泣きたくなる夜
そばにいて 少しでも 話を聞いて
追いかけて 追いかけて
追いかけて… 雪國


15.海峡

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

わたし昔から そうでした
北へ行こうと 決めていた
この世で愛した男(ひと)は あなた
あなた あなただけなの
津軽海峡 渡る船は
横なぐり 横なぐりの雨
も一度 も一度 やり直せるなら
このまま このまま 引き返すけど
もう遅い もう遅い 涙の海峡

わたし昔から そうでした
北で死のうと 決めていた
幸せ見つけて 暮らします
あなた あなた忘れて
津軽海峡 捨ててきた
粉々に 粉々に写真
も一度 も一度 やり直せるなら
このまま このまま 泣かないけれど
もう遅い もう遅い 涙の海峡

わたし昔から そうでした
一度海峡 見たかった
荒れた海を 飛ぶカモメに
語り 語りかけたい
津軽海峡 越えて来た
何もかも 何もかも置いて
も一度 も一度 やり直せるなら
このまま このまま 帰り船乗る
もう遅い もう遅い 涙の海峡


16.酒よ

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

涙には幾つもの 思い出がある
心にも幾つかの 傷もある
ひとり酒 手酌酒 演歌を聞きながら
ホロリ酒 そんな夜(よ)も たまにゃ なァいいさ

あの頃を振り返りゃ 夢積む船で
荒波に向ってた 二人して
男酒 手酌酒 演歌を聞きながら
なァ酒よ お前には わかるか なァ酒よ

飲みたいよ浴(あ)びるほど 眠りつくまで
男には明日(あす)がある わかるだろう
詫びながら 手酌酒 演歌を聞きながら
愛してる これからも わかるよ なァ酒よ

詫びながら 手酌酒 演歌を聞きながら
愛してる これからも わかるよ なァ酒よ
わかるよ なァ酒よ


17.港

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

凍てつくような 港でひとり
あんたの帰りを 待っております
流氷来る前に 帰って来ると
言ったあんたの ことば信じ
今日も 日が暮れる 渡り鳥さえ
眠れぬ港 あぁ 北の港町
冬 待つ女

涙が凍る ことばが凍る
あんたの 船かと 岬へ走る
ここは最果て 女の港
明日も見えない 北の岬
今日も日が暮れる 息づく背中に
オホーツク あぁ 北の港町
冬待つ女

夜風が叫ぶ 心が叫ぶ
枕を抱えて 私は眠る
寝返り打てば 流れる涙
明日を夢見て 北の港

今日も波の音 あんた教えた
歌がわりに あぁ 北の港町
冬待つ女

今日も波の音 あんた教えた
歌がわりに あぁ 北の港町
冬待つ女


18.酔歌

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

ぽつり ぽつりと 降りだした雨に
男は何故か 女を想う
ひとり ひとりで 飲みだした酒に
夢を浮かべて この胸に流す
ヤーレン ソーランよ 都会の隅で
ヤーレン ソーランよ 今夜も酒を

風に 風にヨ 暖簾巻く風にヨ
遠い故郷(くに)のヨ 父親(おやじ)を想う
ふらり ふらりと 居酒屋を出れば
冬の近さが 心に吹くよ
ヤーレン ソーランよ 雨から霙(みぞれ)
ヤーレン ソーランよ 今夜も酒を

ふわり ふわりと 降りだした雪に
この手当てれば おふくろを想う
詫びて 合わせる 右の手と左
酒が降らせた 男の涙
ヤーレン ソーランよ 積もり行く雪に
ヤーレン ソーランよ 今夜も酒を

ヤーレン ソーランよ 積もり行く雪に
ヤーレン ソーランよ 今夜も酒を


19.女のかぞえ唄

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

潮風乗って港のカモメ
あの人 恋しいと 泣いている
日暮れ間近の 女の宿に
泊るは 北の風と 波の音
帰ってくるはずないのにネ
窓に書きます 罪ごころ
漁火…灯台…女のかぞえ唄

何処からきたか 波止場に霧が
あの人 逢いたいと 降っている
夜明け間近の 港の船は
今日も 海の彼方へ 旅に出る…
泣いてちゃ何にも見えないネ
あなたを待ってる 港町
海鳴り…引き潮…女のかぞえ唄

このまま夢で あなたと逢えて
眠っていたいよ 窓灯り
涙も枯れた 夜明けの波止場
朝待つ 女の夢を 凍らせて
帰ってくるはずないのにネ
誰かが答える 港町
夕焼け…海猫…女のかぞえ唄

帰ってくるはずないのにネ
誰かが待ってる 港町
漁火…・灯台…女のかぞえ唄


20.夜更けのメロディー

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

化粧落として…鏡 別れ涙を拭いて
部屋の灯りを消して 寒いベットで独り

深夜ラジオを聴けば
思い出します あんた
眠りつきたい 心
夢で泣きたい 夢で
あぁ 夜更けのメロディー
子守唄には しないよ

寝返りうって…窓を 寝返りうって電話
鳴ってくれればいいと 逢いたい胸を殺す

深夜ラジオの歌は
二人で歌った歌ね
膝をかかえて独り
風と歌うの風と
あぁ 夜更けのメロディー
子守唄には しないよ

雨に変わった…街も 一緒に泣いてくれる
別れ台詞で今はあんたの愛を知った

深夜ラジオの葉書
女の愚かさ話し
流れるはずない泪
拭きもせずに 拭きも
あぁ 夜更けのメロディー
子守唄には しないよ

深夜ラジオの歌は
二人で歌った歌ね
膝をかかえて独り
風と歌うの風と
あぁ 夜更けのメロディー
子守唄には しないよ


21.酔待酒

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

おちょこに注いだ 地酒に酔って
ひと夜の夢を 女は追って
雪の化粧の 灯篭見ては
会えぬ運命(さだめ)の あんたの背中(せな)を・・
あぁ あぁ 濡れた我が身に 今夜も泣いて

夜の湯の町 雪げた履いて
しんしん降る雪 足跡残し
あの夜(よ)あんたが 差し出す傘に
そっと肩寄せ 歩いた道を…
あぁ あぁ 濡れた心が 今夜も揺らす

「あんた」と呼んで 夢から覚めて
夜更けの女は 涙を流す
きっと誰にも 分かりはしない
枕濡らして 寝ている事を…
あぁ あぁ 惚れたお人に 今夜も酔って


22.門出

作詞:星野哲郎
作曲:吉幾三

男の暦(こよみ)を めくってみれば
生きるか 死ぬかの 二つだけ
生きていながら 死ぬよりも
死んだつもりで 跳(と)びかかる
夢が 夢が
夢が 門出の 攻め太鼓

嵐は花粉(かふん)を はこんでくれる
吹雪はリンゴを 赤くする
つらい運命(さだめ)を 踏み台に
泥をつかんで 起ちあがる
意地が 意地が
意地が 男の 松飾(まつかざ)り

仕事の怨(うら)みは 仕事で晴らせ
酒や女に ふりこむな
希望 辛棒(しんぼう) きかんぼう
三つ揃えた この棒で
押して 押して
押して 開(あ)かない 明日(あす)はない

押して 押して
押して 開(あ)かない 明日(あす)はない

押して 押して
押して 開(あ)かない 明日(あす)はない


23.男の船唄

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

なんで男は 男は海へ出る
お前待つ町 帰るが故(ゆえ)に
宗谷海峡 男の唄は
ヤーレン ソーラン 寒風(かぜ)の中
揺れて揺られて 夜明けと共に
届け… 男の海の船唄ヨ

たとえ時化(しけ)でも 出られる海ならば
船の先峰(せんたん) 男は立つぜ
宗谷海峡 冬待つ海は
ヤーレン ソーラン 夢の中
ゆらりゆらゆら 夜明けと共に
響け… 男の海の船唄ヨ

海ヨお前は 親父(おやじ)を奪(うば)ったが
俺はお前にゃ 奪(と)られはしない
宗谷海峡 スケソウ船は
ヤーレン ソーラン 網流せ
鴎知らせろ 俺行く道を
聞けヨ… 男の海の船唄ヨ

ヤーレン ソーラン 北海峡
惚れた女房と 子供(こ)の待つ港
歌え… 男の海の船唄ヨ


24.酒よ…追伸

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

涙には幾つもの 思い出がある
心にも幾つかの 傷もある
ひとり酒 手酌酒
演歌を聞きながら
ホロリ酒 そんな夜も
たまにゃ なぁいいさ

雨の中酔いつぶれ 都会の夜に
持って来た夢捨てた こともある
なぁ 酒よ 何を捨て
何を拾えばいい…
夢で泣く そんな酒
嫌だョ なぁ 酒よ

あの頃を振り返りゃ 夢積む船で
荒波に向かってた 二人して
男酒 手酌酒
演歌を聞きながら
なぁ 酒よ おまえには
わかるか なぁ酒よ

何事も遠いほど すべて恋しい
何も無い暮らしさえ 笑えたな
アパートの赤電話
今でもあるだろうか
ふるさとが近かった
こわれた赤電話

飲みたいよ浴びるほど 眠りつくまで
男には明日がある わかるだろう
詫びながら 手酌酒
演歌を聞きながら
愛してる これからも
わかるよ なぁ酒よ

飲むほどにしみて来る 十五の春が
遠くから聞こえてく 汽車の音
降り出した この雨が
昔を流すなら
なぁ 酒よ おまえには
涙を 流させる

夜空には屋台酒 男の愚痴を
さみしさも わびしさも この酒に
なぁ オヤジ 若い頃
話してくれないか
ばあちゃんや おふくろの
話を なぁ オヤジ

居酒屋の片隅に 置いてたギター
つまびけば歌い出す 演歌節
冷酒と酔いどれと
泪とふるさとと…
年老いた父と母
子供と なぁ 女房(おまえ)

冷酒と酔いどれと
泪とふるさとと…
年老いた父と母
子供と なぁ 女房(おまえ)
わかるよ なぁ酒よ


25.酔歌…追伸(ロングバージョン)

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

北の雪降る 海風を受けて
夢を語った 津軽の海よ
吹雪く中でヨ くちずさむ唄は
父が教えた ソーラン節よ

青い空とヨ 菜の花の畑ヨ
春の風とヨ 故郷を捨てた
老いたおふくろ 立ちつくす駅は
雪がぱらつく 青森の駅よ

惚れた女が 18で死んだよ
都会のはずれで ひとりで死んだ
秋の雨にヨ むなしさの衿を
立てて歩いた 新宿の街よ

言える苦労は 苦労とは言わぬと
胸に秘めたる 死ぬまで胸に
酒に溺れて 眠りつく夜は
遠い昔が 涙でくもる

ぽつり ぽつりと 降りだした雨に
男は何故か 女を想う
ひとり ひとりで 飲みだした酒に
夢を浮かべて この胸に流す
ヤーレン ソーランヨ 都会の隅で
ヤーレン ソーランヨ 今夜も酒を

風に 風にヨ 暖簾巻く風にヨ
遠い故郷のヨ 父親を想う
ふらり ふらりと 居酒屋を出れば
冬の近さが 心に吹くよ
ヤーレン ソーランヨ 雨から霙
ヤーレン ソーランヨ 今夜も酒を

(セリフ)「人は 誰もが 何かを背負い そして生きていく
時たま 忘れてしまうのもまた 生きていく仕事
そんな酒ならば 俺は それでいい」

ふわり ふわりと 降りだした雪に
この手当てれば おふくろを想う
詫びて 合わせる 右の手と左
酒が降らせた 男の涙
ヤーレン ソーランヨ 積もり行く雪に
ヤーレン ソーランヨ 今夜も酒を

ヤーレン ソーランヨ 積もり行く雪に
ヤーレン ソーランヨ 今夜も酒を


26.娘に…

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

幸せに なるんだよ 二人してきっと
涙拭き 笑い顔 絶やさず いいな
母さんと話したか 女ゆえ努め
甘えたか ありがとう さようなら 言ったか
寒い北の はずれ町
体こわさず 達者でな
みんな想い出 持って行け
写真一枚 あればいい

晩酌に 注(つ)がれたし 別れの杯
染みてきた その酒に こぼれし想い
父親(おやじ)とは情けなく 意地っ張り者よ
おまえにも分かるだろう 子を持ち老いたら
月の明かりに 庭に出て
二人の幸せ 願っておいたよ
みんな想い出 持って行け
写真一枚 あればいい

背中より でかかった 赤いランドセル
雨の中 泣いていた 学校帰りよ
夢だった二十年 ありがとう我が娘(こ)
長い旅疲れたら 時々帰れ
明日(あす)の朝まで 飲んでるよ
別れの朝だ 起こしてくれよ
みんな想い出 持って行け
写真一枚 あればいい
写真一枚 あればいい…


27.情炎

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

どうせあんたは 他者(よそ)のひと
夜明け来る前 帰るひと
窓をたたいて 風が言う
そんな男(やつ)とは 別れなと

涸(か)れたはずでも 泪でて
月日数えて 振り返る
世間どこでも あるような
こんな恋でも 私には

夢ならこのままで
花なら枯れないで
このまま帰らずに
このまま傍にいて

きっとあんたの 心には
棲(す)んでないのね 私など
別れ言葉は 持ってても
逢えば消えます ねえあんた

ポロリポロリと 冬の宿
残る足あと 雪の中
窓に映した 明日(あした)みて
いつも思うの 今日かぎり

夢ならこの続き
雪なら溶けないで
このまま帰らずに
このままここにいて

女の情(なさけ)とは
死ぬまで炎(もえ)る事
このまま嘘ついて
死ぬまで嘘ついて


28.エレジー~哀酒歌~

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

肩を抱き 飲んだ酒
夢語り 飲んだ酒
振り返りゃ なぁ友よ
昔は… よかったな
惚れた女(やつ) 忘れ酒
泣きながら 夜明けまで
思い出さ 若い頃
俺にも… あったのさ
屋台酒 いついつまでも
映るのさ あの頃が
忘れない いついつまでも
男の冷や酒は…

便箋に 包(くる)んでた
母からの あのお金
風邪ひくな 無理するな
十七才(じゅうしち)… 年の暮れ
夢だけが 友達で
故郷(ふるさと)が 支えでさ
大都会 冬の夜
母さん… どうしてる
屋台酒 いついつまでも
ガキの頃 あの日から
不憫さが いついつまでも
男は飲むたびに…

なぁ女房 幸福(しあわせ)か
子供たち 眠ったか
明日の朝 また会おう
今夜は… 遅くなる
苦労酒 すまないね
お前には 泪酒
近いうち 連れて行く
聞き酒… 聞かれ酒
屋台酒 いついつまでも
出会いから 今日までが
冬夜空(ふゆぞら)に いついつまでも
男は酒の中…

屋台酒 いついつまでも
出会いから 今日までが
忘れない いついつまでも
男は酒の中…


29.岩木川

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

今でも 町を流れる
雪解けの水は輝き
鳥たちも 春の陽射(ひざ)しに
目を閉じて…あぁ岩木川
橋の向こうに 昔見た
この橋渡って 都会(まち)へ出た
津軽を流るる…岩木川

花火が 映(うつ)る水辺に
重なりし 遠い初恋
夜空には 星座集めて
君の顔…あぁ岩木川
叶(かな)うものなら 今一度
あの日の二人に戻りたい
津軽を流るる…岩木川

夕焼けに 染(そ)まる平野は
土手の上 父を待ってた
白神(しらかみ)の 枯れ葉乗せたる
その水は…あぁ岩木川
町を幾つも 通り抜け
面影 思い出 秋の風
津軽を流るる…岩木川

降る雪 流れる川は
母に似た 背中 ゆりかご
地吹雪に 眠る津軽は
風の音…あぁ子守唄
春を知らせに 流れ行く
十三港(じゅうさんみなと)へ 日本海
津軽を流るる…岩木川


30.哀のブルース

作詞:里村龍一
作曲:吉幾三

強く強く抱いてよ
身体からだ 折れるまで
誰に何と言われても
あなただけは 私のもの
冬の海峡 越えて来た私
泣きはしません 帰れなくても
何も出来ない 愛する他には

夜よ夜よ酔わせて
夢の夢の 終わりまで
とても生きて行けないの
愛が明日が 見えないなら
情け心で 抱かないでほしい
あなたなしでは あなたなしでは
春が来ようと 花さえ咲かない

情け心で 抱かないでほしい
離さないでよ 二度と私を
何も見えない あにたの他には

何も見えない あなたの他には


31.旅の途中で…

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

遠く昔 この手つないで
歩き続けた 君と二人で
思い出します 旅の途中
風と…線路と…故郷(ふるさと)と
逢いたいな…もう一度
夢に見る…あの日に帰りたい

橋の上で 夕陽見つめて
屋根にのぼって 星を数えた
君に恋した 確かあの夜(よ)
旅の…途中の…汽車の窓
逢いたいな…あの頃に
君のこと…今も忘れない

風の中…呼んでみた
君のこと…今も忘れない

逢いたいな…あの頃に
返らない…遠いあの時代(とき)を


32.冬鴎

作詞:里村龍一
作曲:吉幾三

旅の寒さを 背中にしょって
船の時刻を 聞く女
潮風(かぜ)にさびれた 港の酒場
線路のむこうは 冬の海
想い出は 置いてゆけ
流れ着く この先に
旅を終らす 夢は無い

窓が白(しら)けて 波止場の路地に
雪がいつしか 降り積る
遠い汽笛に 振り向く女(ひと)よ
心の凍(しば)れは 解けたろか
旅びとの 淋しさが
ストーブに 燃えている
港 とまり木 仮の宿

辛かろう せつなかろ
北へ行く この俺も
おなじ船待つ 冬鴎

想い出は 置いてゆけ
流れ着く この先に
旅を終らす 夢は無い


33.冬の酒

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

手紙をふところ 飲む夜は
おふくろ あなたに 詫びる酒
熱燗お猪口で 飲む夜は
はがゆい我が身を 叱る酒
冬の夜 冬の月
冬の星 冬の酒

冷酒(ひやざけ)コップで 飲む夜は
父親(おやじ)よ あなたを 思う時
泪を拭き拭き 飲む夜は
しみじみ誰かを 偲ぶ酒
冬の露地 冬の風
冬の町 冬の酒

冬の夢 冬の空
冬の雨 冬の酒


34.さくら咲く頃に

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

さくら咲く頃は 母の手に
引かれ泣き泣き 学び舎に
さくら咲く頃に 友は皆
離ればなれに 又泣いて
夢の数だけ 咲いててくれた
空の彼方へ 飛んでてくれた

さくら咲く頃に 故郷を
後にこの都会 出て来たよ
さくら咲く頃に 手を握り
親父が静かに 眼を閉じた
線路いっぱい 咲いててくれた
泪の中で 咲いててくれた

さくら咲く頃は 何故だろう
遠い昔を 想いだす
さくら咲く頃に 帰ろうよ
ぶらりあの頃 歩こうよ
夢の数だけ 咲いててくれる
あの日あの時 咲いててくれる

夢の数だけ 咲いててくれる
あの日あの時 咲いててくれる


35.漢江

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

あの人今度いつ頃 逢わせてくれる 漢江(ハンガン)
知らんふりして流れる あの日歩いた 漢江(ハンガン)
想い出 上(のぼ)って行けば
本当は あなた 愛したい
想い出 下(くだ)って行けば
あなた 愛しちゃいけないの
漢江(ハンガン) 漢江(ハンガン) どうしたらいいの

霧のソウルの町は 特に寂しい 漢江(ハンガン)
朝の泪は拭けるが 夜の泪は 漢江(ハンガン)
すべて流せるものなら
月日あまりに 永すぎて
たとえ罪を犯しても
私(あたし) この身も惜しまない
漢江(ハンガン) 漢江(ハンガン) あなた逢いたいの

夕陽 背中に歩けば
あの日の あなたに逢いたい
頬に秋風感じて
夢の続きをまた見るの
漢江(ハンガン) 漢江(ハンガン) 早く逢いたいの


36.出張物語

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

いってらっしゃーい…… いってくるよー……

たとえ離れていても 見る夢は一緒
あなた帰る日 あたし 指折り数えて
ちょっと長めの出張 家は頼んだよ
OK!夜の蝶々に騙され 浮気はダメよ
ドキッ!どこか似ているふたり 結婚しちゃったふたり
いつも一緒もまたいい 時々出張 Ah!またいい

さて、ケイタイも切ったしと……

背中恋しい夜は 写真にお・や・す・み
お前恋しい夜は わずかなお酒を
土曜の夜はちょっと 友達と会うの
まて!友達なんて誰さ ヒゲはないだろな
ドキッ!どこか似ているふたり 結婚しちゃったふたり
いつも一緒もまたいい 時々出張 Whh!またいい

あらー! ステキなひと ひとりものかしら……

子供欲しくはないか? そろそろ一人
あなた一人で充分 私の赤ちゃん
今夜お前の胸で 赤ちゃんなろうかな
明日は会社もお休み 早めのおねんね
アヨーッ!どこか似ているふたり 結婚しちゃったふたり
いつも一緒もまたいい 時々出張 Whh!またいい

どこか似ているふたり 結婚しちゃったふたり
いつも一緒もまたいい 時々出張 Whh!またいい

ただいまー…… あなたー……
Ah〜n


37.夢で抱かれて

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

あれから何年 来るのは夜明け
胸も背中も すべてが恋しい
だけど…温(ぬく)もり 遠すぎて
夢で抱かれて… 夢に泣かされて

季節の変わり目 心配しても
触れることさえ 出来ないあんた
編んだ…セーター 便り添え
夢で着せては… 夢で眼を覚ます

愛しい 愛しい 愛しいあんた
いつか逢える日 指折り数え
生きて行(ゆ)きます この町で
夢に縋(すが)って 夢で逢えるから

夢で出逢って… 夢で抱かれます


38.立佞武多

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

ヤテマレー… ヤテマレー…
ヤテマレー… ヤテマレー…

遠く聞こえて 津軽の古里に
笛と太鼓と 立ちねぷた
街を見下ろし 歴史が通る
津軽平野は 五所川原
ヤテマレー… ヤテマレー…
勝った戦の 立ちねぷた
夏を彩る 風も踊れよ
立ちねぷた 立ちねぷた

ヤテマレー… ヤテマレー…
ヤテマレー… ヤテマレー…

夏の夜空に 花火が散って
囃子(はやし)掛け声 立ちねぷた
街を駆け抜け 歴史が通る
津軽平野は 五所川原
ヤテマレー… ヤテマレー…
勇壮 壮大 立ちねぷた
陸奥(くに)が踊って 津軽酔いしれ
立ちねぷた 立ちねぷた

ヤテマレー… ヤテマレー…
ヤテマレー… ヤテマレー…

岩木川には 花火を映(うつ)し
街も眠らぬ 立ちねぷた
ビルの谷間を 歴史が通る
津軽平野は 五所川原
ヤテマレー… ヤテマレー…
天に向かって 立ちねぷた
北の大地の 夜空突き刺す
立ちねぷた 立ちねぷた

ヤテマレー… ヤテマレー…
ヤテマレー… ヤテマレー…


39.風の子守唄

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

昔あんたの 胸の中
あの夜聴いた 子守唄
忘れられずに 口ずさみます
酔えば出るのよ 時々

雪解け間近に 北へ 北へ 北へ
列車を乗り継ぎ 北へ 北へ 北へ
あの街思い出 置いて 置いて 置いて
今でも… あんた… 逢いたいです

過去を引きずりゃ 明日に泣く
だけどせめて あの唄を
泣き事いって ぶたれた頬の
痛さ今では 愛しい

女の旅路は 風と 風と 風と
二人で過ごした あの日 あの日 あの日
朝まで話した 夢が 夢が 夢が
思えば… あんた… 淋しいです

捨てる物など 何もない
風の中の 子守唄
後悔なんか してないけれど
夢で泣きます 時々

枕に染みます すべて すべて すべて
雨音悲しく 窓に 窓に 窓に
霙に変わって 冬が 冬が 冬が
今でも… あんた… 愛してます

女の旅路は 風と 風と 風と
二人で過ごした あの日 あの日 あの日
朝まで話した 夢が 夢が 夢が
今でも… あんた… 逢いたいです


40.北限海峡

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

見えるものとは 地平線と
遥か彼方を 行き交う船と
吹雪その中 身をかがめ
海を見つめる 寒立馬
風を遮るものさえなくて
尻屋灯台 北限海峡
春にゃまた来る 下北半島

津軽海峡 左手に見て
右の凪海 太平洋よ
何処から着いた 流木よ
春を知らせる 寒立馬
親馬仔馬を囲むように
尻屋の岬 北限海峡
夢も溶けだす 下北半島

潮の香りと 草原岬
海に浮かんだ 北海道よ
羽を広げた 海鳥を
じっと見ている 寒立馬
そっと聞こえる 夏の波
尻屋崎とは 北限海峡
景色つまみに 下北半島


41.約束~君に逢いたくて

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

君が居た 北の町 下北
想い出に 逢いたくて
飛び乗った 上野発 はくつる
夏の夜 ひとりで
朝方にゃ 乗り換えの駅にて
大湊線を ひとり待つ
今は亡き我が友よ 風よ
あの頃を 訪ねて
海沿いを走る 真夏の電車は
いつかお前が 俺を迎えたね
一年に一度の 大祭に
逢いに来た Oh 泣きに来た

菜の花の 中を行く電車
あの春を思いだす
鳥が舞う 山と海 下北
歩いたね ふたりで
想い出が何故(なぜ)だか 嬉しく
迎えに来るよな 気がして

今は亡き我が友よ 風よ
あの日々を 浮かべて
海沿いを走る 真夏の電車は
君が眠ってる 町へ朝日浴び
一年に一度の 大祭に
逢いに来た Oh 泣きに来た

海沿いを走る 真夏の電車は
いつかお前が 俺を迎えたね
一年に一度の 大祭に
逢いに来た Oh 泣きに来た

逢いに来た Oh 泣きに来た

〜友よ 今は亡き 我が友よ
約束どおり 今年も 君に逢いに来ました〜


42.Dream

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

住みなれた 我が家を
雲と 青空の下
しばらく 寒さと
雨に 風にと 打たれ
この街で 一番
素敵で 暮らしたい
リフォームしようよ
私 心も 夢も
花の香りを 少しだけ入れて
街の香りも 少しだけ入れて
優しく育った 樹木 香りも入れて
幸せと感じたら 今日が旅立つその日

いつまでも 近所と
あいつの 家族呼んで
お酒を 片手に
夢と未来を 語り
この街で 一番
素敵で 過ごしたい
リフォームしようよ
私 笑顔も すべて
庭に出てみて 星を数えては
月の明かりに 君を抱きしめて
優しく育てと 子供 寝顔に夢を
青空の朝が来りゃ 今日が旅立つその日

La La La…


43.男ってやつは…

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

ひざを合わせて 男の酒は
飲まなきゃ ならない時もある
ひざを抱えて ひとりで酒を
飲まなきゃ ならない夜もある
誰かのために 走り回って
何かを捨てなきゃ いけない時もある
お前にゃ悪いと 悪いと思う
それでもいいさと 生きなきゃならん日も
酒よ…そしてなぁ友よ
いつか…又一緒に飲もう
今は…多くは語らぬが
男ってやつは…それでいい

泪こらえて ひとりの酒を
居酒屋 片隅 くちびるかみしめて
夢だけ見るのさ 男の酒は
誰かと別れの むなしい時もある
愛しいおまえと 別れの時も来る
それまで頼むと ほほえむ酒もある
捨てて拾って 男ってやつは
すべてを背負って 生きなきゃならんのさ
酒よ…そしてなぁ友よ
唄よ…又明日を頼む
夢よ…男ってやつは
不器用だけど…それでいい

酒よ…そしてなぁ友よ
いつか…又一緒に飲もう
夢よ…男ってやつは
不器用だけど…それでいい

酒よ…そしてなぁ友よ
いつか…又いい時が来るサ
夢よ…多くはいらないよ
男ってやつは…それでいい

酒よ…そしてなぁ友よ
いつか…又一緒に飲もう
夢よ…男ってやつは
不器用だけど…それでいい


44.TOFU

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

TOFU……
白いその肌 見るたび
なぜか涙が でてきちゃう
冷めたそうに 僕を見て
とっとと食べて
とっとと食べてと微笑んで
TOFU TOFU TOFU TOFU
TOFU TOFU TOFU TOFU
TOFU

ヨーロッパじゃ サラダで
一日一丁食って
ボンジュール ウィ ウィ!
ああ…TOFU… Oh…TOFU…
お前が愛しく
今夜も今夜も今夜も眠れない
(テキーロ ムーチョ アミーゴ!)

絹と木綿に 惑わされ
ふたつ並べて ペロリンコ!
ザルの中から 見る君は
チャッチャと食べて
チャッチャと食べてと薄笑い
TOFU TOFU TOFU TOFU
TOFU TOFU TOFU TOFU
TOFU

中国じゃ マーボー豆腐
一日一丁食って
チャイナ タベチャイナ!
ああ…TOFU… Oh…TOFU…
お前に溺れて
今夜も今夜も今夜も眠れない
(ニィハオ シェーシェーハゥ トゥ!)

お湯につかって グズグズと
ネギや春菊 囲まれて
シラタキなんかに からまれて
熱いの食べて
熱いの食べてとアンニョンハセヨ
TOFU TOFU TOFU TOFU
TOFU TOFU TOFU TOFU
TOFU

韓国じゃ 豆腐チゲ
一日一丁食って
チョアヨ マニマニチョアヨ!
ああ…TOFU… Oh…TOFU…
お前が気になり
今夜も今夜も今夜も眠れない
(カムサハムニダ!)
TOFU TOFU TOFU TOFU
TOFU TOFU TOFU TOFU
TOFU

沖縄 ゴーヤチャンプル
一日一丁食って
メンソーレ ヤーレン ソーレン!
ああ…TOFU… Oh…TOFU…
世界のどこかで
誰かが誰かが誰かがペロリンコ

(テキーロ ムーチョ ペロリンコ!)
(トーフ! トーフ! ナンバーワン!)
TOFU


45.運河

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

雨ふる小樽で 傘の中別れた
季節はもうすぐ 秋がそこまで
背中にすがって お前は泣いてた
海ではカモメも 寒そうに鳴いていた

夕焼けに 染まる運河
忘れない あの日の涙を
今でも居(い)るだろか 北国あの町に
今でも居(い)るだろか愛(いと)しきあの女(ひと)よ

雪ふる便りが 届けば想うよ
忘れないあの夜(よ)の 揺れる運河灯(あかり)よ
追(つ)いては行けない 迎えに来てよと
誓って別れた 二人の船見坂(ふなみざか)

凍(こお)りつく 小樽運河
淋しさに ふるえてはいないか
倖せで居(い)るかと 北国あの町に
倖せで居(い)るかと 愛(いと)しきあの女(ひと)よ

こらえた涙が グラスにこぼれて
夜明けを待ってた 港の見える店
せめてハマナス 咲くまで居(い)てよと
遠くを見つめた あの面影(かお)忘れない

春を待つ 小樽運河
も一度 も一度逢いたい
今でも居る(い)だろか 北国あの町に
今でも居る(い)だろか愛(いと)しきあの女(ひと)よ


46.酒場のしんちゃん

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

5人も座れば いっぱいで
つまみもそれほど あるじゃなし
みんなそれぞれ 顔なじみ
仕事帰りに 寄る店さ
ときどき喧嘩も するけれど
わずかな夢など 背負ってて
どっかに昨日を 捨ててきた
そんな酒場が あるんだよ
しんちゃん…しんちゃん…ありがとう…なぁしんちゃん
しんちゃん…しんちゃん…また来るよ…なぁしんちゃん

6人座れば めいっぱい
日本酒ビールと 焼酎だけ
みんなそれぞれ 注ぎながら
どっかへ不満の コップ酒
昔もありゃ 明日(あす)もある
どこかに故郷(ふるさと)もっていて
どっかに 家族を 背負ってて
そんな酒場が 今もある…
しんちゃん…しんちゃん…ありがとう…なぁしんちゃん
しんちゃん…しんちゃん…また来るよ…なぁしんちゃん

7人(ななにん)入れば 二人外(そと)
しんちゃん 愛嬌あるじゃなし
ビールケースに 腰をかけ
店と外とで 乾杯さ
タバコを吸う奴 吸わぬ奴
どこかに自負(ほこり)を かくしてて
どっかに自慢を しまってて
そんな酒場が あるんだよ
しんちゃん…しんちゃん…ありがとう…なぁしんちゃん
しんちゃん…しんちゃん…また来るよ…なぁしんちゃん

しんちゃん…しんちゃん…ありがとう…なぁしんちゃん
しんちゃん…しんちゃん…また来るよ…なぁしんちゃん


47.父子じゃないか…

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

男だろう 飲みなよ
泣けるだけ 泣きなよ…
父親(おれ)でよきゃ 聞いてやる
ひとばん お前の話を
父子(おやこ)じゃないか… 弱音も愚痴も
父子(おやこ)じゃないか… いつも心配している
お前は俺の 宝物だから

女だろ 素直に
彼氏なら 信じな
父親(おれ)でよきゃ 聞いてやる
いちばん お前を 知ってる
父子(おやこ)じゃないか… 不安も夢も
父子(おやこ)じゃないか… 幸福(しあわせ)になれと願う
お前は俺の 宝物だから

多くは 言わない
お前も おとなさ
父親(おれ)でよきゃ 聞いてやる
いつでも どこでも 何でも
父子(おやこ)じゃないか… この未来(さき)ずっと
父子(おやこ)じゃないか… 嬉しいもんさ親は
お前は俺の 宝物だから

父子(おやこ)じゃないか… この未来(さき)ずっと
父子(おやこ)じゃないか… 嬉しいもんさ親は
お前は俺の 宝物だから


48.ありがとうを言いたくて

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

出逢いから 別離(わかれ)にと
ありがとう 合縁奇縁(あいえんきえん)
お前との 出逢いから
生き方 すべて変わったよ
わずかだけ 幸せがあれば
頑張れるはずさ
もう少し なぁ進もうよ
互いに手をとって…
ありがとう…君に言いたくて
今まで 生きて来た

あの涙 想い出よ
ありがとう 笑顔の友よ
支えられ 教えられ
叱られた あの日あの時よ
いつまでも 残るあの言葉
抱き合って 泣いた
良き時代 悪きもまた時代
いつだってあるさ…
ありがとう…君に言いたくて
今まで 生きて来た

ありがとう ありがとう
我が人生 喜怒哀楽(きどあいらく)よ
優しさも 愚かさも
誰にもあるさ あるもんさ
心だけ いつも豊かさを
忘れず生きようよ
もう少し なぁ労(いたわ)って
この先もずっと…
ありがとう…君に言いたくて
今まで 生きて来た


49.かあさんへ

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

あなたの背中で… かあさん
あなたの腕で… かあさん
あなたの笑顔で… かあさん
あなたへ愛しさ知った

寒くはないかい… かあさん
つらくはないかい… かあさん
この歳になって… かあさん
あなたの強さを知りました

旅先の町で 降り立った駅で
あなたに似た背中 あなたに似た女(ひと)が

幸せでしたか… かあさん
心配かけたね… かあさん
淋しくないかい… かあさん
あなたの尊さ知った

何かにつけては… かあさん
泪が出ますね… かあさん
泣く暇なかった… かあさん
あなたに昔を学びます

電話では言えぬ 手紙では遅い
ふるさとに残る 母への書いた詞(うた)

時々手紙を… かあさん
気遣い 泣き言… かあさん
分かるヨそうだネ… かあさん
あなたの弱さも知った

そのうち近々… かあさん
仕事もほどほど… かあさん
必ず帰るよ… かあさん
あなたは独りじゃありません

夜空見て都会 住みついた街で
老いてゆく母に 泣き泣き書く手紙


50.やがて世界が歌いだす

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

やがて世界が歌いだす やがて世界が歌いだす
やがて世界が歌いだす やがて世界が歌いだす

誰よりも君を 愛しているよ
誰よりも幸福(しあわせ)を 祈っているよ
青く輝いた地球の中で
誰も泣いちゃだめさ 悲しんじゃいけない
元気なその瞳(め)が 何よりも好きなのさ
大きなその声 いっぱいの微笑み
やがて世界が歌いだす やがて世界が歌いだす
やがて世界が歌いだす やがて世界が歌いだす

何よりも生命(いのち)を 大切にしようよ
何よりも未来を 考えようよ
青い海と空 大地に座り
明日(あした)もこうして あなたに会えるように
誰かに愛され 誰かを愛して
握手と笑顔で みんなと歩こう
やがて世界が歌いだす やがて世界が歌いだす
やがて世界が歌いだす やがて世界が歌いだす

やがて世界が歌いだす やがて世界が歌いだす
やがて世界が歌いだす やがて世界が歌いだす

やがて世界が歌いだす やがて世界が歌いだす
やがて世界が歌いだす やがて世界が歌いだす


作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

夢を抱(いだ)いて東京へ オラが出て行く前の晩
田舎者だとみられるな 両親(ふたおや)言われて 出てきたTokyo
「話コされても 絶対しゃべるな 渋谷は 気ィーつけろ」
アー…ンダンダ
「Hな店コが いっぱいあるから 新宿 気ィーつけろ」
アー…ンダンダ
「電車さ乗っても きょろきょろするな 痴漢にされるから」
アー…ンダンダ
「サイフの中には 小銭(ダラ)だけ 入れとけ車サ気ィーつけろ」
アー…ンダンダ
あれは15才の春だった… パンダも無かった上野サ着いダ…
ンダンダ

希望(のぞみ)テペテペ持って来た 好きなあの娘は置いて来た
“嫁にしてけろ 待っている” 花子に言われて出てきたTokyo
「都会の女子(おなご)は 化けるのうまいゾ 赤坂 気ィーつけろ」
アー…ンダンダ
「甘ーい言葉と 化粧と香水 銀座も気ィーつけろ」
アー…ンダンダ
「美味しい話は まずいと思って 原宿 気ィーつけろ」
アー…ンダンダ
「巣鴨のおじさんおばさん訪ねろ 行ったら銭(かね)借りろ」
アー…ンダンダ
あれは15才の春だった… コンビニ無かったTokyo サ着いダ…
ンダンダ

家族おぶして乗ってきた 皆んな達者か ふるさとも
辛抱…しんぼうで…貯金して 必ず幸せしてやる…待ってろ…
「就職先では 仕事を覚えろ 酒には 溺れるな」
アー…ンダンダ
「1日1回 家族を思って とっとと 寝てしまえ」
アー…ンダンダ
「食いたいもんでも 飲みたいもんでも 夢みてウンと飲め」
アー…ンダンダ
「淋しぐなったら 悲しぐなったら 黙ってお経読め!」
アー…ンダンダ
あれは15才の春だった… パソコン・ケータイ・デジカメ無かった…
ンダンダ


52.敬愛~夕陽の向こうに~

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

夕陽の向こうに 昭和が見える
あなたの優しい 姿が見える
夕陽の向こうに 涙も見える
時代…時代の あなたの涙

夕陽の向こうに 哀れみ見える
老いてまだ尚 働く姿
夕陽の向こうに 微笑み見える
時代…時代に もらった愛も

生きて行く事を 教えてくれた
壊れかけてた この俺に
ああ 夕陽の向こうに 頭(こうべ)を垂れて
母よ…あなたに…ただ…詫びたい

夕陽の向こうに 昭和が見える
遠き故郷 離れたあの日
夕陽の向こうに 淋しさ見える
雪の舞う中 見送るあなた

夕陽の向こうに 我が身が見える
真っすぐ歩んで 来たはずのない
夕陽の向こうに 裏切り見える
何度あなたを 泣かしたことか

涙流すのを 教えてくれた
背中向けてた この俺に
ああ 夕陽の向こうに 頭(こうべ)を垂れて
母よ…あなたに…ただ…詫びたい

夕陽の向こうに 昭和が見える
貧しき昔の あの日が見える
夕陽の向こうに 故郷見える
待っててくれてる あなたが見える

夕陽の向こうに 飛び立つ鳥よ
羽根は無いけど 俺も旅立つ
夕陽の向こうに 明日が見えた
あなたがあっての 自分が見えた

向き合うことを 教えてくれた
チラシに綴った あの手紙
ああ 夕陽の向こうに 頭(こうべ)を垂れて
母よ…あなたに…ただ…詫びたい


53.秋風

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

ただ傍に居るだけで 私はいいの
ただもう少しだけ 夢を見させて
邪魔はしないから お傍に置いてて
ひとりで居るのが 嫌…
泣きたくなるから 嫌…
秋風 ひとり寝 子守唄
いつも 唄ってる

ただあなた居るだけで それだけでいいの
ただお酒を飲んで ふたりの秋を
邪魔はしないから お傍で酔わせて
ひとりで飲むのが 嫌…
泣き言 言うから 嫌…
秋風 ひとり寝 子守唄
いつも 唄ってる

夢見ては抱かれてた あなたの胸で
夢覚めて泣いていた 夜明けの部屋で
邪魔はしないから 時々会えたら
背中を送るの 嫌…
あなたが帰るの 嫌…
秋風 ひとり寝 子守唄
いつも 唄ってる

ひとりで居るのが 嫌…
約束ないから 嫌…
秋風 ひとり寝 子守唄
いつも 唄ってる


54.男酔い

作詞:喜多條忠
作曲:杉本眞人

男だ 女だ 言う気はないが
女にゃわからぬ 酒がある
哀しき父は 今はなく
やさしき母も 今はない
故郷(ふるさと)ぼんやり なつかしく
見上げる三日月 盃にして
星をサカナに 星をサカナに 男酔い

切れたの 惚れたの いろいろあって
女房にゃ言えない 酒もある
かなわぬ夢が ふたつみつ
かなわぬ恋は 山とある
こころはカラカラ 走馬燈
人生持ち寄り 止まり木酒場
今日もほろほろ 今日もほろほろ 男酔い

涙と くやしさ 一気にあおり
他人(ひと)には見せない 酒がある
男はいつも 大きくて
男はいつも 馬鹿だから
狼みたいに 吼(ほ)えながら
都会の夜風に 身を震わせて
いのちぬくめる いのちぬくめる 男酔い 男酔い


55.その昔

作詞:喜多條忠
作曲:杉本眞人

その昔 恋をしていた
二年暮らして 女(そいつ)を捨てた
冷凍みかんと甘栗を
無理矢理その手に 握らせて
故郷(いなか)へ帰す 詫びにした
俺のズルさを 咎(とが)めるように
発車のベルが 発車のベルが
鳴り響いてた

その昔 妻と別れた
子供は残して 行けよと言った
二人の子供を 両脇に
川の字になって 眠る夜
初めて俺は 気がついた
俺の勝手と わがままだけが
この子の母を この子の母を
奪い取ったと

その昔 夢を見ていた
たった一度の 人生なんだ
追いつけ追い越せ 負けるなと
団塊世代の 明け暮れに
勝つことばっかり 夢にした
戦(いくさ)終わって 夕陽が落ちりゃ
見交わす友の 見交わす友の
笑顔がつらい

見交わす友の 見交わす友の
笑顔が沁みる